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万一の時…家族をどう守るか | 中小企業の相続対策相談室

万一の時…家族をどう守るか

事業承継の課題

「自分に万一のことがあっても、家族だけは守ってあげたい」
中小企業のオーナー経営者なら、誰もがそう願うはずです。

会社と一心同体の経営者にとって、自らの急逝は会社の存続をも脅かす重大事です。
事業承継の準備が整わないまま、もしものことが起これば、会社の行く末はもちろん、残された家族の生活すら危うくなりかねません。

「会社を守ること」と「家族を守ること」。
その両立こそが、オーナー経営者に課された最大の責務だと言えるでしょう。

もしも」の備えは強靭な「リスクマネジメント」

「いざという時のために」――。
こうした危機管理意識は、経営者にとって欠かせない資質の一つです。
自然災害や不慮の事故など、予測不能なリスクに備えて、綿密な対策を立てておく。
そのための時間と労力を惜しまないのが、経営者の責任だと言えるでしょう。

オーナー経営者の「もしも」に備える対策も、こうしたリスクマネジメントの一環として捉える必要があります。
「起こるかもしれない最悪の事態」を想定し、会社と家族を守る方策を立てておく。
その積み重ねこそが、強靭な経営基盤を作り上げるのです。

<事例:不慮の事故で他界した経営者のケース>
製造業を営むA社の社長は、50代半ばで交通事故に遭い、急逝してしまいました。
後継者の育成はおろか、自社株の承継方法も定めないまま、あっけない旅立ちとなったのです。
銀行からの借入れの連帯保証は社長個人名義。
さらに、会社の資金繰りの不足は社長の個人口座、個人からの借入で対応していました。
その結果、社長の遺産は会社の債務に注ぎ込まれる結果となり、遺された家族は路頭に迷う事態に。
会社は倒産の危機に直面し、従業員の雇用も風前の灯火となりました。
「もしも」の備えを怠ったことで、会社も家族も、取り返しのつかない事態へと追い込まれたのです。

「家族を守る」ための法的スキーム

では、どのような対策を講じておくべきでしょうか。
いくつかの選択肢を見ていきましょう。

1. 遺言の作成
生前に遺言を残しておくことで、会社と個人の財産を適切に分けることができます。
特に、自社株の承継先や後継者への経営権の集中など、会社の存続に関わる意思を明確にしておくことが重要です。
また、遺族の生活資金の確保や資産分与についても、遺言で定めておくが大切です。相続争いは会社の立て直しの足を引っ張ることになります。

2. 事業承継対策の実行
計画的な事業承継は、「もしも」の備えの基本中の基本です。
具体的には、後継者の育成、株式の集中化、個人と法人の資産の分離などの方策を、生前から進めておくことが求められます。
特に自社株の承継については、贈与や遺贈など、税制面の対策も欠かせません。

3. 生命保険の活用
死亡保険金で会社の債務を弁済し、遺族の生活資金を確保します。会社受取の保険に不足があれば個人受取の保険で会社の債務を肩代わりしたりする方法もあります。
経営者が高額の保険に加入することで、リスクヘッジを図るのです。
ただし保険料負担など、デメリットもあることに留意が必要です。

4. 家族信託の設定
家族信託とは、経営者の個人財産を家族に信託し。経営者の設計通りに承継する仕組みのことです。
後継者に経営権を集中させつつ、家族への一定の財産分与を約束しておくことができます。
遺言よりも柔軟な対応が可能で、認知症対策としても有効です。

これらの対策を組み合わせることで、「会社と家族の両方を守る」備えを固めることができるはずです。
もちろん、各対策にはメリット・デメリットや税務上の留意点があります。
専門家のアドバイスを受けつつ、自社の状況に合わせた最適解を見出すことが肝要です。

「想定外」に負けないリスク対策

万一の時に会社も家族もも守られる対策は経営者の責務です。「会社か、家族か」の二者択一を迫られるような局面にならないように対策しておくことに経営者の真価が問われます。

中小企業相続対策専門相談室は、オーナー経営者の万一のリスク対策を支援します。
事業承継、保険、遺言や信託など、あらゆる選択肢を視野に入れながら万一に備えれお手伝いをいたします。